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海外留学時のトラブル集

Q1)米国の大学に短期留学します。MMR(麻疹風疹おたふくかぜ混合ワクチン)を接種するように、言われています。MR(国産の麻疹風疹混合)ワクチン接種しています。おたふくかぜワクチン接種を追加するだけでいいでしょうか?

A1)受け入れ大学側ないし日本の留学窓口の書類を確認する必要があります。日本人から言うと、MR混合ワクチンプラスMワクチン(おたふくかぜ単独ワクチン)を合わせれば、同じ様に思います。しかし、米国にはMRワクチンがなく、MMRワクチンまたはMMRV(麻疹風疹おたふくかぜ水ぼうそう)ワクチンしかありません。日本人留学生受け入れ経験が少ない大学では、日本のワクチン行政をよくわかっていないことが多く、現地でトラブルになる可能性があります。

Q2)おたふくかぜになっているので、おたふくかぜワクチンを接種しなくていいですよね?

A2)まず、「おたふくかぜにかかった?」というのは本当かどうかわかりません。血液検査で確定診断せず、「ほっぺたが腫れた。」ということだけで、おたふくかぜと診断されていることはよくあります。特に、片側の耳下腺が腫れた場合、細菌性耳下腺炎のことがあります。また、おたふくかぜに感染していたとしても、長期間、おたふくかぜ罹患者に接触していないと、徐々に抗体価は低下します。無人島に15年以上、独りで生活していれば、理論上、抗体価はゼロになると言われています。

Q3)米国留学の書類に「3種混合(百日咳ジフテリア破傷風混合)ワクチン接種をしなさい」と記載されています。友達は、トラベルクリニックで輸入3種混合ワクチンを接種したら、かなり高かったようですが、私はかかりつけの内科で国産の3種混合(現在は4種混合)ワクチンを接種しました。

A3)米国留学に必要とされる3種混合ワクチンは、通称成人用3種混合(Tdap)と言われるものす。10歳以上の児童ないし成人に接種するもので、輸入ワクチンしかありません。一方、日本で幼児が接種する3種混合(DPT)はTdapと比べ、破傷風トキソイドは半量、ジフテリアトキソイドは6倍量です。5歳以上に、DPTを接種すると、ジフテリアトキソイドが比較的強い反応性を誘導する可能性が指摘されています。また、破傷風トキソイドの量が少なすぎるので、効果はほとんどありません。再度、Tdapを接種する必要があります。

Q4)書類に髄膜炎ワクチン接種が必要と記載されていますが、Hibワクチンですか?プレベナーですか?

A4)Hibワクチンもプレベナーワクチンも現在、幼児の定期接種になっている髄膜炎ワクチンですが、米国留学時に接種必要なものではありません。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は莢膜多糖体の抗原により13種類の血清群が確認されていますが、髄膜炎菌感染症は5つの血清群(A、B、C、Y、W-135)によっておきています。近年わが国では髄膜炎菌性髄膜炎の発生は大変少なくなりましたが、世界的には髄膜炎ベルトとして有名なアフリカ諸国で流行がみられるとともに、先進国でも散発的に患者が発生することがある。そのため、髄膜炎菌ワクチンは、アフリカの髄膜炎ベルト地域を含めた流行地に渡航する者、米国等の留学先でワクチン接種を要求されている者などに接種します。海外で幅広く使用されている髄膜炎の不活化ワクチンには2種類あり(多糖体ワクチンMPSVと結合型MCV4)、ともに4価(A,C,Y,W-135)のワクチンです。他に、Bワクチンというものがあります。

留学時の書面にタイプまで記載されていなければ、MPSVでもMCV4でも構いませんが、多糖体ワクチンに比べて、獲得される髄膜炎菌に対する抗体も高値で長続きすることが知られています。このため米国では、莢膜多糖体ワクチンよりも結合型ワクチンが推奨されています。日本で承認されているのも、結合型MCV4ワクチンのメナクトラです。米国では11歳16歳に2回接種され、接種率は78%です。

Q5)ポリオワクチンは2回接種済みなのに、また接種する必要がありますか?

A5)ポリオワクチンには経口生ワクチン(OPV)と現行の不活化ワクチン(IPV)があり、4種混合ワクチンにはIPVが含まれています。2012年8月まではOPVワクチン接種しか選択肢がなかったので、ほとんどの方はOPV2回接種だと思います。

現時点での国際標準の接種法を提示します。未成年:小児期ポリオ=OPV x 3 or IPV x 4 (うち、最低1回は4歳以降)、OPV/IPV併用 x 4 (うち、最低1回は4歳以降)
成人:小児期ポリオが上記を満たさない場合の全員。または、満たしていても製品不良などで接種に該当しない場合:IPV x 3 (0, 1, 7Mにて)

つまり、留学年齢の学生は少なくとも追加でIPV2回接種の必要があります