B型肝炎について

B型肝炎の発生状況

人類の血液中に寄生しているウイルスです。先進国では保有率が低く、中国、東南アジア、南アフリカ諸国では保有率が高い。HIV(エイズウイルス)と同じ感染様式(輸血、医療行為、歯科治療、性感染など)。海外で医学的な治療や歯科治療を行う方にもお勧めです。また、留学の際に接種を要求されることがあります。

交通事故や病院での医療行為(注射など)にはご注意ください。

WHO「B型肝炎」マップ

B型肝炎ワクチン接種をお勧めする方

医療従事者、外傷を負う確率の高い建築工事関係者。血液透析を受ける人

B型肝炎の感染原因と症状

【感染】
B型肝炎ウイルス(HVB)は感染した患者の血液や体液と接触したり輸血を受けた場合、無防備な性行為、消毒不十分な注射針や医療器具(医療行為、歯科治療、針治療、刺青、麻薬常習者など)で感染する可能性があります。

【症状】
潜伏期間は平均120日(45-160日)。多くの場合無症状か軽度の症状でおわる。全身症状として倦怠感、食欲不振、黄疸、吐き気、腹痛、関節痛。死亡率は1%。6-10%の確率で慢性化して、肝硬変や肝臓ガンに移行する可能性がある。


B型肝炎ワクチン
【国内産 B型ワクチン:ビームゲン・ヘプタバックス】
3回接種、皮下注射或いは筋肉注射
接種方法 : 初回、1回目から4週間後、2回目から20~24週
抗体持続期間(3回接種後):5年

初回接種の抗体陽転率13%、2回接種で72%、3回接種で96%


日本医師会雑誌2020年2月号(第148巻第11号)にて、名鉄病院予防接種センターの菊池均先生の報告があります。

0~9歳、3回接種で97%、2回接種で91%

10~19歳、3回接種で92%、2回接種で53%

20~29歳、3回接種で79%、2回接種で35%

30~39歳、3回接種で74%、2回接種で31%

40~49歳、3回接種で68%、2回接種で26%

50~59歳、3回接種で61%、2回接種で20%

20歳以上が2回接種で海外に出発する場合、出発時の抗体陽性率は3割程度です。当院が国産ワクチンより、輸入ワクチンを推奨する所以でもあります。


【輸入 A型肝炎・B型肝炎混合ワクチン Twinrix Adult】
3回接種、筋肉注射、16歳以上。
接種方法:初回、1ヶ月後、6ヶ月後
抗体持続期間(3回接種後):15~20年

B 型肝炎の抗体陽転率は 2 回で 約 80%、3 回で 98%です。

渡航まで時間のない場合(16歳以上のみ)
初回接種を0日として①0日、②7日、③21~30日、④1年の4回接種


【輸入 B型肝炎混合ワクチン Engerix B】

3回接種、筋肉注射、16歳以上。
接種方法:初回、1ヶ月後、6ヶ月後
抗体持続期間(3回接種後):15~20年

B 型肝炎の抗体陽転率は 2 回で 約 80%、3 回で 98%です。

渡航まで時間のない場合(16歳以上のみ)
初回接種を0日として①0日、②7日、③21~30日、④1年の4回接種