Call nowBook now
大阪府岸和田市,和泉市,貝塚市,堺市,泉佐野市,大阪市,和歌山市の肥満外来,トラベルクリニック,トラベル外来なら大植医院

相談の多い有名な観光地


国立国際医療研究センター・国際感染症センター編集「グローバル感染症マニュアル」より改変

1)クスコ・マチュピチュ

クスコ・マチュピチュの最大の特徴はその高度です。クスコは標高3395m、マチュピチュは標高2280mに位置します。クスコへは首都リマから空路を用いることが多く、そこからマチュピチュへは電車かバスが主たる交通手段です。クスコからマチュピチュまでは4~5時間かかるので、乗り物酔いや深部静脈血栓症に要注意です。

  1. 高山病:頭痛や食欲不振やめまい、睡眠障害などがあり、現地到着後の体調不良は高山病の可能性があります。CDC(米国疾病予防センター)は高山病予防のため、ダイアモックスの内服を勧めています。
  2. 黄熱、マラリア、デング熱:クスコ、マチュピチュ、リマ、チチカカ湖、ナスカでは黄熱やマラリアのリスクは少なく、デング熱の可能性も極めて少ないです。
  3. 狂犬病、破傷風:マチュピチュ遺跡は急こう配で滑りやすいので、破傷風トキソイドをお勧めします。バックパッカーや長期滞在者には狂犬病ワクチン接種も必要です。
  4. 食品や水が原因となる病気:A型肝炎ワクチンは全ての旅行者に推奨され、バックパッカーや長期滞在者には腸チフスワクチン接種も必要です。
  5. その他:クスコを訪れた海外旅行者の5%が新しい相手と性交渉をしています。

2)イグアスの滝

  1. 黄熱:イグアスの滝は黄熱のリスク地域です。ブラジル、アルゼンチンは観光客を受け入れやすくするため、入国にイエローカードを要求していません。しかし、CDCは黄熱ワクチンの接種を推奨しています。
  2. マラリア、デング熱:イグアスの滝はマラリア流行地域ではないですが、デング熱は最近増加傾向にあります。
  3. 狂犬病、破傷風:この地域から哺乳類やヒトの狂犬病の報告はありません。ただし、ブラジルでは、コウモリによる狂犬病の報告はあります。ケガをした時のために、破傷風トキソイドの予防接種を勧めます。
  4. 食品や水が原因となる病気:旅行者下痢症のリスクは中等度です。A型肝炎ワクチン接種を推奨します。冒険旅行には腸チフスワクチン接種をして下さい。
  5. その他:長期旅行者やバックパッカーはB型肝炎ワクチン接種をすべきでしょう。ラテンアメリカではHIVなど他のSTDの罹患リスクもあります。

3)サファリ(ケニア、タンザニア)

  1. 食品や水が原因となる病気:急性A型肝炎と旅行者下痢症といった食品媒介性の感染症はアフリカ全土でみられます。旅行前のA型肝炎ワクチン接種が望ましい。
  2. 狂犬病、破傷風:狂犬病はアフリカ全土で存在し、ウィルス性出血熱のリスクもあります。破傷風トキソイドの渡航前接種が望ましいです。
  3. 黄熱:2010年にWHOとCDCは東アフリカの一部地域を黄熱ウィルス曝露リスクの低い地域に再分類しました。ケニアの東部、ナイロビ、モンパサ、タンザニア全地域です・
  4. その他:アフリカトリパノソーマは、旅行者の罹患はまれだが、日中、ツェツェバエに刺されて感染します。

4)アンコールワット

カンボジアのシェムリアップにあり、年間100万人以上の旅行者が訪れる世界有数の観光地である。この地域一帯の寺院は広大な土地に広がっているため、観光には通常2~4日間を要します。衛生環境は悪く、病院は一部の私立病院を除き劣悪な環境であり、重症な場合、バンコクやシンガポールへ輸送されることが多い。現地の薬局では、偽薬も売られており、見た目では区別がつきにくいため、下痢症などの薬は日本から用意すべきです。

  1. 食品や水が原因となる病気:腸チフス・パラチフスやA型肝炎罹患のリスクが高いため、渡航前の腸チフスワクチンやA型肝炎ワクチンの接種が勧められます。
  2. マラリア、デング熱、日本脳炎:シェムリアップや首都プノンペンではマラリアのリスクはほとんどないため、マラリアの予防薬は必ずしも勧められないが、渡航中の防蚊対策が強く推奨されています。デング熱や日本脳炎はカンボジア全域でみられ、ワクチン接種を推奨します。ただ、アンコールワット周辺の寺院近接地域に数日滞在するだけならば、日本脳炎のリスクは少ないです。
  3. 狂犬病、破傷風:狂犬病はカンボジア全域でリスクがありますが、寺院の短期旅行ではリスクは少ないでしょう。破傷風は動物咬傷だけでなく、寺院散策中の外相でもリスクが負うため、破傷風トキソイド接種を勧めます。
  4. その他:長期滞在者では、B型肝炎のリスクが高いため、渡航前にワクチン接種が推奨されます。HIV感染者が風俗業に従事していることもあります。

5)北インド(デリー、アグラ、バラナシ、コルカタ)

  1. 食品や水が原因となる病気:インドでは2週間の旅行で30~50%が旅行者下痢症に罹患すると言われています。その多くは病原性大腸菌だが、腸チフス・パラチフスやA型肝炎、E型肝炎、細菌性赤痢、コレラなどもあります。下痢が長引く場合、アメーバー赤痢やジアルジア症などの寄生虫感染も考えられます。水道管の破損により、上水道に下水が混入していることもあり、現地での対策として水道水や氷の摂取を避けます。生の魚肉、生野菜、カットフルーツやラッシーも摂取を避けます。インドでは世界で最もチフスが多く、短期の渡航であっても腸チフスワクチン接種が強く推奨されます。また、A型肝炎ワクチン接種も推奨されます。汚染された水の曝露として、ガンジス川の沐浴や雨季の洪水もその1つです。
  2. 狂犬病、破傷風:インドでは年間15000~20000例の狂犬病報告があり、世界でもリスクが高い国です。ヒト狂犬病免疫グロブリンは、インドでは容易に手に入らず、日本にもありません。狂犬病の曝露前予防接種と破傷風トキソイドの接種を強く推奨します。
  3. マラリア、デング熱:コルカタ市内はマラリアの低リスク地域ですが、西ベンガル州は高リスク地域です。夜間の外出時や就寝時は、防蚊対策を勧めますが、都市部のみの滞在では予防内服は必要ではありません。夏のシーズン中は、デング熱の発生率が最も高く、ワクチン接種も視野に入れてください。
  4. 結核:世界の結核症例の26%はインドの発症であり、このうち2%に多剤耐性菌結核がみられます。咳が2週間以上続く呼吸器症状があれば、医療機関に連絡の上、受診すべきです。
  5. その他:タージマハルや寺院入場時には裸足になることを要求されるため、足元の悪いところではケガにも要注意です。外傷は蜂窩織炎や破傷風の原因となります。そのため、破傷風トキソイド接種歴を確認してください。B型肝炎は血液曝露や性行為を介して感染するため、現地で医療行為を受ける可能性や性行為を行う可能性がある場合、ワクチン接種が勧められます。