MMRワクチン
MMR ワクチンは北米、南米、ヨーロッパ、オーストラリア、台湾、香港、韓国、シンガポールで乳 幼児に定期接種として普通に使用されているワクチンです。効果と安全性のデータも豊富にあり ますが、国が認めたワクチンではないので日本国内では未承認ワクチンとなります。なお、MR ワ クチンを使用しているのは日本だけですので国産の製品しかありません。海外では MMR ワクチ ン、もしくは MMR に水痘も含んだ MMRV ワクチンの使用が通常です。MMR ワクチンは国内未承 認ワクチンですが、世界では通常に使用されているワクチンであることをご理解下さい。
■予防できる病気
①麻疹(はしか):発熱や咳、鼻水の風邪症状のあと39℃以上の高熱と発疹が生じます。 肺炎や脳炎を合併し、妊娠中に罹ると流産や早産を起こす危険があります。
②風疹(三日ばしか):発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とし、 妊婦が感染すると胎児に影響を与える(先天性風疹症候群)危険性があります。
③ムンプス(おたふくかぜ):耳の下の頬の辺りにウイルスが侵入し炎症を起こします。 成人男性では精巣炎の原因になることがありますが、不妊になることは稀です。
■流行地域と感染経路
・いずれも発展途上国を中心に世界で流行。風疹は数年前に東京で流行しましたが、現在、関東から近畿圏で流行しています。
・空気感染や飛沫感染で伝染します。
■診断と治療
・発熱形式や皮疹、採血による抗体上昇から総合的に診断します。
・特別な治療法はなく、対症療法のみです
■予防方法
人混みを避ける。マスクの着用。手洗い・うがいの励行。また、ワクチンを接種する。
■ワクチン接種対象
ワクチン接種歴のない、または不明な方。麻疹、風疹、おたふくかぜの罹患記録がない方。 2回の接種を推奨します。
■ワクチンについて
Priorix: GSK社(GlaxoSmithkline)、MMRⅡ:メルク社
MMRワクチンは輸入ワクチンです。 過去にMMRワクチンで無菌性髄膜炎の報告が相次ぎ本邦では定期接種が中止されました が、原因であるムンプスの株が異なり、安全性が高いワクチンです。1歳以上に皮下注射をします。