2026年度採用予定の新型コロナワクチン
今年度、日本で使用される新型コロナワクチンは、コミナティ、ダイチロナ、ヌバキソビッド、コスタイベ、mNEXSPIKE(エムネクススパイク)の5種類です。
① XFG対応
- コミナティ
- ヌバキソビッド
- mNEXSPIKE
② NB.1.8.1対応
- ダイチロナ
- コスタイベ
XFG対応ワクチンでは、NB.1.8.1やBA.3.2系統に対しても一定の交差中和活性が確認されています。一方、NB.1.8.1対応ワクチンについてもXFGへの交差活性が確認されており、「XFG対応だから明らかに優れている」「NB.1.8.1対応だから明らかに優れている」と単純には比較できません。
したがって、私なら今シーズンは、ワクチンの抗原性だけでなく、ワクチンの種類、副反応、接種後の抗体持続性、1バイアル当たりの人数なども含めて選択します。
私なら、
① ヌバキソビッド(XFG)
② ダイチロナ/コスタイベ(NB.1.8.1)
③ エムネクスパイク(XFG)
④ コミナティ(XFG)
くらいに考えます。
特に今回、エムネクスパイクについては興味深い長期免疫原性データが出ています。
エムネクスパイクは、従来のスパイクバックスをさらに発展させた次世代のmRNAワクチンで、2026/27シーズンはXFG対応です。接種量が0.2 mLと少ないことも特徴の一つです。
海外第Ⅱ相P201試験では、接種後29日、91日、181日、366日に中和抗体価が測定されています。BA.1に対するGMTは、接種29日後の3,520から、181日後1,923、366日後1,982でした。
つまり、6か月後から1年後にかけて、BA.1に対する中和抗体価がほぼ維持されています。
ただし、これはあくまでBA.1に対するデータです。現在流行しているXFG、NB.1.8.1、BA.3.2に対して1年間同程度の中和活性が維持されることを直接示したデータではありません。
したがって、「エムネクスパイクは1年間、現在の流行株に対して有効」とまでは言えませんが、「オミクロン株に対する中和抗体が1年後にもかなり残る」という免疫持続性は、ワクチンを選択する際の一つの材料になると思います。
1)武田薬品のヌバキソビッド
ヌバキソビッドは、現在使用されている新型コロナワクチンの中で唯一の組換えタンパクワクチンです。B型肝炎ワクチンなどと同じタイプで、mRNAワクチンとは異なるプラットフォームです。
2026/27シーズンはXFG対応です。
XFG対応ですが、JN.1系統内の他の変異株に対しても一定の交差中和活性が期待されます。特に、組換えタンパクワクチンであることから、mRNAワクチンとは異なるタイプを希望する方には選択肢になります。
また、1バイアル2人用なので、事前予約が必要です。当院では2人同時に接種できるように予約をお願いします。
2)第一三共のダイチロナ
ダイチロナは第一三共の国産mRNAワクチンです。
2026/27シーズンはNB.1.8.1対応で、日本で流行している株を直接ターゲットにしています。また、NB.1.8.1由来RBDを使用した試作製剤では、NB.1.8.1だけでなくXFGに対する中和活性も確認されています。
したがって、「日本で現在流行しているNB.1.8.1を重視したい」という方には非常に分かりやすい選択肢です。
1人用なので、1人で接種に来られる場合には、当院ではこれをお勧めします。
3)明治製菓ファルマのコスタイベ
コスタイベは、Meiji Seika ファルマの自己増幅型mRNA(レプリコン)ワクチンです。
2026/27シーズンはNB.1.8.1対応です。
NB.1.8.1対応ワクチンについては、非臨床試験でJN.1、XEC、NB.1.8.1、XFGなど、JN.1系統の複数の変異株に対して中和抗体を誘導することが確認されています。
レプリコンワクチンは、レプリカーゼによって接種されたRNAが細胞内で複製されるため、通常のmRNAワクチンより少ないRNA量で抗原を産生できるという特徴があります。
国内第Ⅲ相試験ではコミナティとの比較が行われており、過去の製剤ではBA.4/5に対する中和抗体について、コミナティに対して高いGMTが示され、12か月後にも抗体価が維持されていました。
ただし、これらの長期データは過去の製剤によるものであり、2026/27シーズンのNB.1.8.1製剤について1年間の抗体持続性が確認されているわけではありません。
「今シーズンの流行株への適合性」と「抗体の持続性」の両方を重視する場合には、コスタイベも有力な選択肢だと思います。
こちらも1バイアル2人用なので、事前予約が必要です。
4)エムネクスパイク
エムネクスパイクは、従来のスパイクバックスをさらに発展させた次世代のmRNAワクチンです。
2026/27シーズンはXFG対応です。
特に私が注目しているのは、接種量が0.2 mLと少ないことです。
また、海外第Ⅱ相P201試験では、BA.1に対する中和抗体が接種366日後にも維持されていました。
BA.1に対するGMTは、接種29日後の3,520から、181日後1,923、366日後1,982でした。6か月後から1年後にかけて抗体価がほぼ維持されている点は興味深いところです。
もちろん、BA.1に対する抗体価の持続性と、現在流行しているXFG・NB.1.8.1・BA.3.2に対する防御効果は別問題です。このデータだけから、「現在の流行株に1年間有効」と判断することはできません。
ただ、XFG対応であることに加えて、0.2 mLという少ない接種量、そしてこのような長期の免疫原性データがあることから、私はコミナティより一つ上に評価しています。
1人用です。
5)ファイザーのコミナティ
コミナティはファイザーのmRNAワクチンです。
2026/27シーズンはXFG対応です。
現在も使用経験が最も豊富なワクチンの一つで、XFG対応ですが、NB.1.8.1などJN.1系統の変異株に対する交差活性もあります。
これまでコミナティを接種していて特に副反応に問題がなかった方、従来から使い慣れているワクチンを希望する方には、引き続き選択肢になります。
1人用です。
