乳児4名百日咳で死亡

国立健康危機管理研究機構によりますと現在の方法で集計をはじめた2018年以降で死者が最も多かったのは2020年の2人で、ことしは6月末の時点ですでにこれを超えています。

今年これまでに全国で少なくとも4人の乳児が百日せきに感染して重症化し、人工心肺装置=ECMOなどの治療を受けたものの亡くなったことが分かりました。

亡くなったのはそれぞれ東京都、兵庫県、愛知県、群馬県の生後1か月未満から4か月の乳児で、このうち2人は百日せきを含む定期接種のワクチンを接種する前でした。

生後2か月の乳児が亡くなった群馬県立小児医療センターではここ数年、百日せきで入院した患者はいませんでしたが、ことしはすでに3人の子どもが入院したということで、感染症科の清水彰彦 部長は「感染者が増えるとともに重症になる子どもが増えている」と危機感を示しています。

清水部長は「重症化を防ぐためには生後2か月になったら速やかに定期接種のワクチンを接種することが重要だ。さらに、家族から免疫のない赤ちゃんに感染するケースが多いと考えられるので、せきなどの症状がある場合は赤ちゃんとの接触を避けたりマスクを着用したりといった感染対策をとってほしい」と呼びかけています。

新生児の百日咳予防のため、妊娠後期のワクチン接種が推奨されています。