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健康問題別の健康指導

気候の変化

1)熱帯地域では熱疲労がしばしばおこります。特に、心臓疾患・腎臓疾患などを持つ人は、体力の消耗や脱水により原疾患の悪化を招く可能性が増大します。高齢者や高血圧の治療薬(β―ブロッカーやカルシウムブロッカー)を服用中の方は一見、発汗していないように見えるので要注意です。定期的に日陰で休息し、水分や塩分の補給が必要です。ホテルでは、過度に冷房されていることが多いので、室内を加湿してください。頻繁にシャワーを浴びると、皮膚の乾燥を招くので注意してください。紫外線対策として、長袖長ズボン、こまめに日焼け止めを塗ってください。

2)温帯地域
南半球を渡航する場合は、日本と季節が逆になることを忘れてはいけません。日本の夏に渡航する場合、オーストラリアやニュージーランドは冬なので、インフルエンザ対策が必要です。
また、中国の都市部では冬場の大気汚染が深刻化しており、渡航者に呼吸器疾患が増大します。
米国東部では、秋にブタクサの花粉が飛び散るので、アレルギー性鼻炎の方は注意してください。

時差症候群
 時差が4~5時間以上の地域に急速に移動すると、一過性の心身の不調状態がおこりますが、これを時差症候群(時差ぼけ)と言います。体内時計と生活時計における睡眠時間のずれが原因です。睡眠覚醒障害や精神作業能力の低下が起こり、業務で海外出張する場合、仕事内容に影響を及ぼすことがあります。特に、東方への移動(日本から米国への移動)で症状が重くなります。

 対策としては、目的地到着後は、現地時間の夜に合わせて4時間以上の睡眠をとることです。睡眠障害がある場合、メラトニン受容体作動薬(商品名ロゼレム)を服用すると効果があります。これは、健康保険扱いになります。

交通機関に関連した健康問題

1)航空機内で起こる疾病
 約10000mの巡航高度では、機内の気圧は0.75~0.8以下に低下しているので、肺機能が低下している人や貧血症などの患者は低酸素血症に陥りやすいので、酸素療法の検討も必要です。また、狭心症などの虚血性心疾患患者は酸素分圧の低下が発作の誘引になるため、ニトロ製剤の携行を勧めます。

 航空機内の湿度は約20%以下に乾燥しているので、咽頭や鼻粘膜が障害され、風邪をひきやすくなります。また、高齢者は脱水を引き起こし、起立性低血圧を起こしやすくなりますので、水分を大目にとることが肝心です。アルコールやカフェインは利尿効果があるので、控えめにしてください。

2)旅行者血栓症
 航空機内で長時間の座位をとっていると、下肢の深部静脈がうっ血し血栓が形成されます。この血栓が肺動脈に流出して、肺梗塞を引き起こすと死に至ります。航空機内で起こりやすい脱水もリスク因子です。予防対策として、搭乗中は足関節の屈伸運動を定期的に行い、水分の補給に努めてください。

3)乗り物酔い
 2~12歳の小児や生理中の女性に乗り物酔いがよく起こります。日本では、商品名トラベルミンが効果あると言われています。交通機関を利用する30~1時間前に内服すると、効果が4~6時間持続します。

高山病

 標高2500m以上の高地に滞在した際起こる症状の総称で、低酸素環境への不適応障害です。標高3000m以上では約40%の旅行者が高山病になると言われています。初期には頭痛や不眠、嘔気を起こし重症化すると肺水腫や脳浮腫を合併し、死に至ります。特に、高齢者、閉塞性肺疾患、心不全、高度な貧血の患者に起こしやすいです。

 予防は徐々に高度を上げることですが、「数日間でクスコマチュピチュ遺跡を訪問」など困難日程の場合は、高地に到着後は1日以上の予備日を計画することが必要です。対策として、水分を大目に摂取し、炭水化物中心の食事をとることです。一方、アルコールの飲用や寒冷は本症の原因となります。高山病の予防にアセタゾラミド(商品名ダイアモックス)が有効であるが、この薬は利尿薬なので、服用中は水分補給に努めることが必要です。しかし、実際、高山病を発症したら、安静にして可能な限り高度を下げることが重要です。

経口感染症

 飲食物から感染する旅行者下痢症やA型肝炎は、発展途上国のいずれの地域でも高いリスクになります。A型肝炎は国内でも毎年50例前後の輸入症例が確認されています。魚介類から感染するケースが多く、発展途上国では生の魚介料理を避けることが望ましい。
 旅行者下痢症も頻度が高く、1か月間の発展途上国滞在で旅行者の20~60%が本症を発病するとの報告があります。病原菌としては、病原大腸菌やサルモネラ菌、カンピロバクターなどの細菌が多く、通常は数日で軽快します。寄生虫に関してはランブル鞭毛注、赤痢アメーバ―などが原因になるが、急性の下痢を起こすことは少なく、慢性の下痢として発病します。

1)経口感染症対策
 発展途上国に滞在する全ての渡航者に必要です。例えば、飲料水はミネラルウォーターや煮沸した水を飲用すること、食品はなるべく加熱して摂取することが重要なポイントです。外食する場合は、できるだけ衛生状態の良い店を選ぶことです。極論を言うと、高級レストランないし高級ホテルのレストランがベターです。食事前の手洗いやトイレ利用後の手洗いも重要ですが、衛生状態の悪い手洗いも多いので、ウェットティッシュの携帯は必須です。

2)旅行者下痢症の自己治療
 軽度の下痢であれば、消化の良い食事と水分を大目に補給すればよいでしょう。国内から経口補水液(商品名オーエスワンなど)が販売されています。下痢の回数が多い場合は、まず、乳酸菌性整腸剤(商品名ビオフェルミンなど)の内服で数日間経過をみます。それで改善しない場合、欧米諸国では、キノロン系抗生剤とロペラミド(商品名ロペミン)の内服を推奨しています。

3)飲料水の殺菌方法
 ミネラルウォーターを手に入れられない場合、水道水を1分間煮沸してください。ただし、標高2000m以上の高地では2分間の煮沸が必要です。