髄膜炎菌性髄膜炎について

髄膜炎菌髄膜炎の発生状況 世界中で発生していますが、特にアフリカ(サハラ砂漠の南方で、西は大西洋岸のセネガルから東はエチオピア・スーダンに広がる“髄膜炎ベルト”と呼ばれる地域があり、毎年数万人の患者と数百人~数千人の死者が出ています。)、中近東で流行が繰り返されています。 また、米国、ヨーロッパ、特にイギリスなどでは寮生活をする学生間での流行がしばしば発生し、問題になっています。

厚生労働省「髄膜炎菌性髄膜炎」マップ

髄膜炎菌髄膜炎ワクチン接種をお勧めする方 イスラム教のメッカ巡礼時期にサウジアラビアへ入国する際には、髄膜炎予防接種証明書を求められます。 イギリスやアメリカに留学する際に接種を必要とする場合もあります。 広く海外で使われている髄膜炎の不活化ワクチンには2種類あり(MPSVとMCV 4)、ともに4価(A,C,Y,W-135)。当クリニックでは取り扱っていないMPSVは、副作用もなく、妊娠中の方も接種できます。一方、MCV 4は米国を中心に使用されていますが、妊娠中の方への接種については解決していません。

髄膜炎菌髄膜炎の感染原因と症状 【感染】 ヒトからヒトへの飛沫直接感染(動物や昆虫を介さない)によって伝染します。狭い込み合った場所(アフリカの都市部、学生寮、兵舎)で伝染する。 【症状】 高熱、関節痛などの初期症状に続き、頭痛、嘔気、精神症状、頚部硬直などの髄膜炎様症状を呈し、重症例では菌血症から死にいたる場合もあります。

【髄膜炎菌髄膜炎ワクチン 4価/MCV4-D MENACTRA(メナクトラ)サノフィ社製】1回接種 、筋肉注射。接種対象者:2歳以上55歳以下

*国内承認済ワクチン(2015年) 海外では欧州を始め広く承認を受け使用されていますが、アメリカでは2005年に認可されています。

【髄膜炎菌髄膜炎ワクチン 4価/MCV4-D メンクアッドフイ サノフィ社製】1回接種 、筋肉注射。接種対象者:2歳以上55歳以下

2023年、国内で承認されました。メナクトラよりも効果がある上、金額も変わりません。

【輸入 髄膜炎菌髄膜炎ワクチン 4価/MCV4-CRM Menveo (メンベオ) ノバルティス社製】 
1回接種 、筋肉注射。接種対象者:2歳以上55歳以下 (7ヶ月以上2歳未満は3ヶ月以上の間隔で2回接種)希望者が少ないので、取り扱いを中止しました。

抗体持続期間:追加接種に関しては特に規定はありません *海外では欧州を始め広く承認を受け使用されていますが、アメリカでも2010年に認可されています。ノバルティス社の海外戦略の変更で手に入りにくい状況が続いています。米国留学の際、メナクトラかMenveoを指定している場合があります。

【輸入 髄膜炎菌髄膜炎ワクチン 4価/MCV4-T Nimenrix (ナイメンリックス) ファイザー社製】
1回接種、筋肉注射。接種対象者:1歳以上55歳以下。

米国ではメナクトラとメンべオが主体(他に多糖体ワクチン)ですが、ヨーロッパではナイメンリックスの3種類が承認されています。メンべオの有効期限が2年に対し、ナイメンリックスが3年なので当院ではこちらを優先的に輸入しています。